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FM802

「まず知ってもらわないことには始まらない」FM802がPodcastの切り抜き動画に取り組む理由

お話を伺った方

FM802 編成部

横山 佳奈

FM802について

FM802は、大阪を中心に関西エリアで放送するFMラジオ局です。音楽を軸にした番組編成を特徴とし、国内外のアーティストやライブ情報を幅広く発信。若い世代を中心に支持を集めています。

2026年4月からPodcastオリジナル番組を本格展開したFM802。番組をまだ知らない人にも届けるため、SNSでのショート動画活用にも取り組んでいます。その背景にあったのが、「まず知ってもらわないことには始まらない」という考えでした。

2026年4月からPodcastオリジナル番組を本格展開

これまでもPodcastをまったくやっていなかったわけではないのですが、地上波で放送したものの二次利用だったり、番組のアフタートークだったり、何らかの形で地上波番組に紐づいたものが中心でした。

2026年4月からは、そこからもう一歩進めて、地上波とは切り離したPodcastオリジナル番組をやってみようということで、新しく番組を立ち上げました

FM802は基本的に音楽を中心にしたラジオ局なので、地上波の番組のトーク箇所だけを抜き出してPodcastにするのが難しいところがあります。楽曲は権利の関係でPodcastでは使えませんし、曲があるからこそ成り立っている番組も多いんです。

地上波では、できるだけたくさん音楽を届けるために、DJのトークも比較的短くまとめることが多いですが、DJの中には特定のテーマにすごく詳しい人もいますし、「本当はもっと話せるのに」ということもあります。Podcastであれば、そうしたテーマをもっと深く掘り下げることもできます。

それに、地上波には大阪・関西という放送エリアがありますが、Podcastならエリアに関係なく届けられます。国内だけでなく、海外も含めて新しいリスナーに届く可能性がある。そういったいろいろな理由が重なって、Podcastに本格的に取り組んでみようというタイミングになりました。

「まず知ってもらわないことには始まらない」SNSをPodcastへの入口に

Podcastのスタートに合わせて、一部の番組ではInstagramやXなどのSNSアカウントも立ち上げました。FM802には地上波の番組を告知する公式アカウントがありますが、Podcastについては、ある程度別のものとして考えて、それぞれの番組に合った形でSNSを運用しています。全番組で同じことをしているわけではありません。Xだけの番組もありますし、Instagramを使っている番組もあります。

その番組のリスナー層とどのSNSが合いそうかということもありますし、実際に運用する人の負担もあります。Instagramなら投稿するためのビジュアルが必要なので、定期的にそういう素材を用意できる番組なのか、といったことも考えました。

私自身、普段SNSを見ていて、ラジオやPodcastの切り抜きが流れてきたことで、「この人はラジオもやっているんだ」と初めて知ることがあります。特にInstagramのリールなどは、フォローしていないアカウントの投稿も自然に流れてきますよね。

Podcastも、「まず知ってもらわないことには始まらない」と思っています。だからこそ、SNSの中に番組を知ってもらう入口を作りたい。その方法のひとつとして、音声の一部を短く切り抜いた動画を出していきたいと考えていました。

これまでの運用フローを大きく変えずに、ショート動画制作を追加できた

ショート動画を作る方法として、外部の制作会社にお願いすることも考えました。ただ、その場合も、「どこを切り抜くのかを誰が決めるのか」「こちらで1分程度に音声を編集してから渡すのか」といった、新しい作業の流れを決める必要があります。

番組ごとに制作体制も違うので、ショート動画のために新たな工程を作って、それを毎回ルーティンで回していくのは意外と大変かもしれないなと感じていました。そんな中でRadio Choppitを知って、まずは無料で試してみました。

使ってみて一番ありがたかったのは、30分以上ある収録済みの音声を、事前に編集せずそのままアップロードできることでした。担当している番組については普段から内容を聞いているので、「ここを切り抜いたらよさそう」ということは分かります。番組の素材の中から簡単な手順で自分でパーツを切り出せるのが便利でした。

Radio Choppitなら、収録済みの音声データをそのまま読み込み、そこから使いたい部分を選べます。ショート動画を作るために、これまでの番組制作の流れを大きく変えなくていいというのが、自分の役割や普段の仕事の進め方にすごく合っていました。

新しいことを始めるために作業工程が増えたり、特別な編集方法を覚えたりすると、どうしても続けるハードルが上がってしまいます。やっぱり、難しかったら続かないと思うんです。

これまでの運用フローを大きく変えずに、SNS用のショート動画という新しい発信を追加できる。そこは、有料でも続けて使ってみようと思った大きな理由でした。

文字起こしの修正が少ないことも安心材料に

文字起こしの精度については、最初は少し心配していました。以前、別の用途でAIの文字起こしサービスを使ったことがあるのですが、固有名詞がかなり違っていたり、出演者本人が自己紹介で名乗っている名前まで間違っていたりして、修正するのが結構大変だったんです。

もちろんゼロから文字起こしするよりは楽なのですが、「ここも違う、あそこも違う」と直していくのはそれなりにストレスがあります。

Radio Choppitも最初はそのくらいの精度だったら大変かもしれないと思っていたのですが、実際には大きくズレることも無く、修正する負担が思っていたより少なかったのも、使いやすいと感じたポイントでした。

「その人らしさ」「番組らしさ」が伝わる部分を選ぶ

切り抜く場所は、単純に刺激の強い発言を選ぶというより、そのゲストの人となりが分かるところや、番組の雰囲気が伝わるところを意識しています。

番組を聞いていると、チームの中でも自然に「この話、面白かったね」という話になります。そういう部分を参考にすることもあります。

一部分だけを切り取ったことで、本来とは違う印象になってしまうのも避けたいですし、初めて動画を見た人に「こういう番組なんだな」と伝わるものにしたいと思っています。

番組ごとの世界観に合わせてカスタムテーマを作成
番組ごとの世界観に合わせてカスタムテーマを作成

オリジナルデザインの動画を作成できる「カスタムテーマ機能」もすごくありがたいです。Podcastといっても番組によって雰囲気がまったく違うので、ひとつのデザインに統一するより、それぞれの番組のイメージに合わせられる方が使いやすいです。

場合によっては、あまり顔写真を前面に出したくないというケースもあります。そういう番組では名前だけを見せたり、写真を使わないデザインにしたりできる。番組ごとに柔軟に作り方を変えられるのはいいですね。

最新回だけではなく、過去のエピソードにももう一度出会ってもらう

現在は主に3番組で使っていて、基本的には1エピソードから1本程度のショート動画を作っています。ただ、Podcastには「今すぐ聞かないと意味がない」という内容ばかりではありません。

例えば、ゲストが10代の頃について話している番組であれば、その内容は1年後に聞いても楽しめます。なので、まず1本切り抜いて紹介して、少し時間が経ってから別の部分をもう一度切り抜いて出す、ということもできると思っています。

新しいエピソードを告知するだけではなくて、過去のエピソードにもう一度出会ってもらうきっかけとしてSNSを使うのも、Podcastとは相性がいいのではないかと思っています。

SNSのタイムラインやリールの中で偶然動画を見てもらって、「この番組、ちょっと聞いてみようかな」と思ってもらう。そういうPodcastへの新しい入口として、これからもショート動画を活用していきたいです。

聞き手

Radio Choppit Co-founder 一神 友郎

2026/8/25